消火器の処分費用はいくら?正しい処分方法とメリット・デメリット

消火器は、各家庭や職場などに必ず一台はあるものです。
この消火器を処分する場合には、いったいどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事では、消火器の処分費用や処分方法、処分時の注意点などについて解説します。
消火器はゴミとして収集してもらえない
さびや変形などで使用するのがむずかしくなってしまった消火器。
そう機会は多くありませんが、買い替えに伴い、不要になってしまうこともあるでしょう。
しかし消火器はリサイクルすることが義務付けられている品目のため、一般的な地域のゴミ収集や自治体の粗大ゴミでは回収処分できません。
素材だけを見ると、燃えないゴミとして出せそうな気もするかもしれませんが、決してゴミの日に出したりしないようにしましょう。
以下のような消火器は使えないため処分が必要
- 使用済みの消火器
- 黒く変色している消火器
- 底面の塗装がはがれていたり腐食がみられる
- ふたが破損している消火器
- 操作レバーが変形している
- ホースがひび割れてしまっている消火器
- ホースが抜けてしまっている状態
- 本来あるはずの安全栓が装着されていない
- ラベルに記載されている有効期限を過ぎている
腐食したり破損がみられる消火器は、爆発などの危険があるほか、いざというときに正常に消火できないこともあります。
破損や不具合がみられる消火器はそのままにしておくととても危険ですので、すぐにでも処分して買い替えるようにしましょう。
有効期限の終了している消火器もまた、同じ理由から処分が必要です。
家庭用の消火器なら5年、業務用なら10年が耐用年数が決まっています。購入からしばらくたっている消火器が、そのままになっている場合もありますので、定期的に確認しておくと安心です。
不要になった消火器は基本リサイクルで処分する
使えなくなった消火器や、有効期限が切れた消火器は、リサイクル処分することが義務付けられています。
消火器の処分には専門的な知識を必要とするほか、廃消火器をリサイクルすることにより環境への負荷を軽減させるのがその理由です。
消火器のリサイクルを依頼するには、「引取り依頼」または「直接持込」のどちらかの方法があります。
お住まいの地域にも多数の対応施設があるので、比較的気軽に処分が可能です。
リサイクル費用とリサイクルシールの有無について
通常リサイクル処分を依頼する場合には、リサイクル費用が必要です。
2010年以降に製造された消火器の場合は、購入時にリサイクル料が上乗せされており、最初からリサイクルシールが貼られた状態となっています。
このような消火器の場合には、リサイクルシールの購入は不要です。
ただし2010年以前に製造された消火器で、リサイクルシールが貼られていない場合は、シールを購入し貼付けたうえで処分が必要です。
リサイクルシールの購入について
リサイクルシールの購入は、以下の2つの方法があります。
- 特定窓口・指定引取場所で直接購入する
- 消火器リサイクル推進センターから購入(代引きで発送してもらう)
住宅用消火器や、ABC粉末消火器20型以下のものが対象となる、小型用リサイクルシールは1枚600円。
消火器リサイクル推進センターで購入する場合は、別途送料と代引手数料がかかります。
処分が必要な消火器に、リサイクルシールが貼られていない場合には、必要に応じて事前に用意するようにしましょう。
※処分方法によっては、現地で購入または不要となるケースもあります。
リサイクル処分してもらう方法
基本的な処分方法としては、指定場所への持ち込みまたは引き取りによる処分方法です。
どの方法もリサイクル前提で回収となるため、リサイクルシールのない消火器は、別途リサイクルシールの購入が必要となります。
特定窓口に持ち込んで処分してもらう
特定窓口とは、「消火器の販売代理店」や「防災・防犯事業者」などが、消火器リサイクルの役割を担っている施設です。
全国に約5,200カ所ほどあり、各市町村にも多数の窓口が存在するため、比較的利用しやすいはず。
処分費用目安
リサイクルシールがある場合 | 約1,500円(保管費) |
---|---|
リサイクルシールがない場合 | 約1,500円(保管費)+600円 |
特定窓口ではリサイクルシールの販売も行っていますので、シールがない場合は持ち込みで処分依頼をするとスムーズです。
特定窓口によっては保管費など一切かからない場合もあります。施設によって異なりますので、事前に問い合わせの上持ち込むようにするとよいでしょう。
特定窓口検索
https://www.ferpc.jp/accept/tokutei/
メリット
- 全国どこでもたくさんの窓口がある
- 比較的リーズナブルな費用で処分が可能
- リサイクルシールがない場合もその場で購入できる
デメリット
- 窓口によっては保管費が必要
- 特定窓口まで持ち込むのが面倒
特定窓口に引き取りを依頼する
上記で紹介した特定窓口では、持ち込みだけでなく引き取り回収も行っています。
事前に申し込みをすると、提携の宅配業者などが集荷に来てくれます。
簡単な梱包は必要ですが、費用は掛かっても手間なく処分したいという人にはおすすめです。
処分費用目安
リサイクルシールがある場合 | 約2,000円~3,000円(収集運搬費) |
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リサイクルシールがない場合 | 約2,000円~3,000円(収集運搬費)+600円 |
リサイクルシールが貼られていない場合、あらかじめ購入の上貼り付けておくよう言われる場合と、リサイクル費込みで回収してもらえる場合とがあります。
特定窓口によって対応が異なりますので、事前に確認してから申し込みましょう。
特定窓口検索(問い合わせ先)
https://www.ferpc.jp/accept/tokutei/
メリット
- 全国どこでもたくさんの窓口がある
- 比較的リーズナブルな費用で処分が可能
- リサイクルシールがない場合もその場で購入できる
デメリット
- 収集運搬費用がかかる
- リサイクルシールがない場合購入手続きが面倒
- 集荷日時に在宅の必要がある
- 消火器の状態によっては回収不可
指定取引所に持ち込む
指定取引所は、消火器工業会が指定した「消火器メーカー営業所」や「廃棄物処理業者」が担っている窓口です。
こちらでは、持ち込みでのみ消火器の処分が可能です。
特定窓口とは異なり、保管費などがかからず、費用をかけずに処分できます。
処分費用目安
リサイクルシールがある場合 | 無料 |
---|---|
リサイクルシールがない場合 | リサイクルシール費用のみ600円 |
引取り指定場所検索
https://www.ferpc.jp/accept/shitei/search.html
メリット
- 費用が無料またはほとんどかからない
- メーカーなどは信頼できる
デメリット
- 地域によっては近くに引取り所がない場合もある
- 持ち込む手間がかかる
- リサイクルシールの購入ができないところもある
ゆうパックによる回収を依頼する
個人の場合にのみの対応となりますが、ゆうパックで回収依頼することも可能です。
事前に専用コールセンターへ申し込みを行い、指定日時に回収してもらう流れとなります。
以前は費用が比較的安価だったため、特定窓口を通して回収してもらうより安くなることもありました。
しかし2020年1月以降、運送代金の高騰により、2倍ほどに値上がりしてしまったため、費用面でのメリットはありません。
処分費用目安
リサイクルシールがある場合 | 5,870円 |
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リサイクルシールがない場合 | 6,270円 |
※エリアにより費用が異なる場合があります。事前にコールセンターで費用をご確認ください。
ゆうパック専用コールセンター
TEL:0120-822-306
メリット
- 持ち込む手間がかからない
- リサイクルシールがなくても回収可能
デメリット
- 費用がかなり高くなる
- 回収日時に在宅の必要がある
- 薬剤量3kg以下または3L以下の消火器以外は対象外
リサイクル以外の処分方法
特定窓口や定取引所、ゆうパックなどでの回収以外にも、消火器を処分する方法はあります。
指定業者ではありませんが、決して違法ではないので、メリットに応じて利用するのもありでしょう。
ホームセンターで下取りに出す
消火器などを販売しているホームセンターでは、消火器の下取りサービスを行っている場合もあります。
ただし無料下取りをしてもらえるのは、同等品を購入した場合のみが対象です。
買い替えの際などは、費用をかけず便利に利用できるサービスでもあります。
処分費用の相場 | 下取りに限り無料~ |
メリット
- 無料で下取り処分してもらえる
- 買い替えのついでなのでタイミングが良い
デメリット
- 買い替えが必須条件
- 持ち込みの必要がある
- あまり状態の悪い消火器は引取り対象外
不用品回収業者に依頼する
トラックなどで不用品などを回収処分している、専門業者に回収処分を依頼する方法もあります。
こうした不用品回収業者では、消火器の種類や状態を問わず回収してもらえる点が大きな特徴。
他の方法では処分できなかった消火器なども、ほとんどのケースで回収対象となります。
リサイクルシールなどがなくても、回収費用が変わらないところも多いため、一度相談してみるのもよいでしょう。
処分費用の相場 | 2,000円~3,000円程度 |
メリット
- 状態や種類を問わず回収してくれる
- 家にいるだけで手続きなどはほとんどなし
- リサイクルシールの用意や確認不要
- 複数本ある場合は回収費用がオトクになる
- その他の不用品とまとめて処分すればかなりオトク
デメリット
- 1本のみの処分だと割高になることが多い
- 業者によっては対応が不安に感じることもある
まとめ
消火器は、一般のごみ収集ではだせない品目です。
特定窓口や指定取引所、その他の方法を利用して、適切に処分するようにしましょう。
処分費用を抑えたい場合には、下取りや特定窓口への持ち込みでほとんど費用をかけずに処分が可能です。
手間をかけず手軽に処分したいという場合には、不用品回収業者や特定窓口による引き取りができます。
費用や手間に応じて、さまざまな処分方法が選べます。