ペンキの正しい処分方法は?塗料と缶の分別や費用、注意点など

ペンキの正しい処分方法は?塗料と缶の分別や費用、注意点など

ペンキは、自治体の粗大ゴミ回収などでは回収してもらえないケースがほとんどです。

そのためどのようにして処分すればよいのかわからず、困っているという人も多いでしょう。

 

本記事ではペンキの正しい処分方法について解説します。

ペンキ塗料と缶の分別や処分の際の注意点、かかる費用についても紹介しますので、お困りのかたはぜひ参考にしてください。

 

ペンキは自治体では処分できない?処分の際の注意点

ペンキは自治体では処分できない?処分の際の注意点

ペンキを処分するにあたり、まずは知っておくべきことや注意点について解説します。

 

自治体ではペンキが入った状態でそのまま捨てるのはNG

自治体の粗大ゴミのルールでは、「ペンキ」や「塗料」などは回収不可とされていることが多いです。

 

自治体で回収できないとされる理由は、大きく分けて2つあります。

  • 油性ペンキは引火性が高く危険なため
  • 単純に中身が液体のため処理ができない

 

このような理由により「ペンキが入った状態の缶」は、粗大ゴミとして出せません。

 

ですがペンキは正しく処理すれば、可燃ゴミと不燃ゴミ(または粗大ゴミや缶ゴミ)に分けて処分することができるのです。

 

自治体では事業で使用したペンキの処分はNG

自治体では事業などにともなって出たゴミや不用品は、自治体のゴミ収集や粗大ゴミに出すことができません。

これはペンキに限ったことではないのですが、会社でなく個人事業などでもルールは一緒です。

事業によるゴミだと判断された場合には、回収してもらえませんので注意しましょう。

事業で使ったものは産業廃棄物と認識し、適切な方法で処分しましょう。

 

油性ペンキを排水溝や側溝に流すのはNG

ペンキには水溶性のものと油性のものとがありますが、油性ペンキを排水溝や側溝に流し捨てるのは絶対にNGです。

油性ペンキを側溝や排水溝へ流すとペンキが途中で固まってしまい、排水溝などを詰まらせてしまう原因となります。

 

一方、水溶性ペンキは水に溶ける性質があるため、希釈して流しても排水溝を詰まらせることはないという声もあります。

しかし水溶性ペンキがいくら水に溶けるものだとはいえ、大量のペンキを排水溝へ流し捨てるのは、水を汚染することにもつながるため、推奨できる処分方法とはいえません。

 

水溶性ペンキがついた刷毛や容器を、水で洗い流す程度であれば問題はありません。

しかし油性・水性ともに、ペンキを排水溝や側溝に流すのはやめておきましょう。

 

自治体でペンキを処分するための処理と分別

自治体でペンキを処分するための処理と分別

自治体でペンキを処分する場合、どのように処理をすればよいのでしょうか。

自治体でゴミとして出すためのペンキの正しい処理方法と、手順を紹介します。

 

1.ペンキが残っている場合は適切に処理を

まず缶の中にペンキ(塗料)が残っている場合には、その中身を捨てる必要があります。

塗料と缶は、別々に処分する必要があるためです。

 

液体のペンキを捨てる場合は、下記のいずれかの方法で適切に処理をする必要があります。

  • 不用な紙や布に染み込ませ、乾燥させる
  • ペンキ専用の固化剤を使って固める

 

少量であれば、いらない新聞紙などに塗って乾燥させる方法でもよいでしょう。

布や紙にしみこませる方法は、水溶性ペンキでも油性ペンキでもどちらでも対応できる処理方法です。

処理のために何かを購入する必要もないため、コストを抑えて処分できます。

 

大量のペンキは、固化材などで固めてしまう方法が手軽です。

ただし固化材で固める際はペンキ缶の中で行うと、中で固まって取り出せなくなってしまうことがあるため注意が必要です。

面倒でも別の容器の内側にビニールなどを重ねて、その中で処理するようにしましょう。

 

固化材は、水溶性ペンキと油性ペンキどちらでも使えるものや、いずれかにしか使えないものなどさまざまな商品があります。

処分したいペンキの種類に合わせて、ホームセンターなどで購入しましょう。

 

2.処理したペンキ(塗料)は可燃ゴミとして処分できる

布や紙に染み込ませて乾燥させたペンキや、固化材で固形にしたペンキは、可燃ゴミの日に出すことが可能です。

自治体指定のゴミ袋などに入れて、収集日に一般ゴミとして出せる地域がほとんどでしょう。

 

ただし例外的に乾燥したペンキでも、油性ペンキは可燃ゴミに出せないという自治体もまれにあります。

念のため自治体のゴミ分別ガイドなどを確認しておきましょう。

 

3.空き容器の処理方法

缶の中に残ったペンキは、ぬぐったり水ですすいだりする必要はありません。

ペンキを出し切った空き容器は、中のペンキが乾くまで、風通しの良い場所に出しておきます。

逆さにしてもペンキが落ちてこない状態になれば、自治体に処分してもらえる状態になります。

 

4.空き容器は何ゴミに出す?

ペンキの空き容器は、その容器の種類によって処分する手段が変わります。

  • ごく一般的な丸い形状の缶:金属ゴミ、不燃ゴミ
  • 一斗缶:粗大ゴミ、缶・瓶・ペットボトルの回収日

 

ただしこちらも自治体によってルールが異なる場合があります。

ペンキの空き容器の素材(スチールやブリキなど)に応じて、どのゴミとして出すか判断するとわかりやすいでしょう。

 

5.自治体で処分した場合の費用はどれくらい?

  • ペンキ(塗料・中身)が少量:数十円~数百円程度
  • ペンキ(塗料・中身)が大量に残っている:数十円~5,000円程度

 

しっかりと事前処理と分別をして自治体に出せば、かなり安い費用でペンキを処分できます。

可燃ゴミは有料となる自治体が多いですが、それでもゴミ袋1枚で数十円程度です。

 

空き容器は、処分する方法や自治体によっても変わりますが、無料から高くても数百円程度で処分できます。

手間はかかりますが、費用をかけずに処分するなら、分別をして自治体にゴミとして出すのが一番でしょう。

 

ただし固化材の仕様が必要なほど、中身が多く残っている場合は例外です。

固化材の価格は6L対応の商品で1,300円~2,500円程度。

一斗缶(18L)に半分程度のペンキが残っている場合は2袋ほど必要となるため、固化材購入に2,500円~4,000円程度の費用が必要となります。

空き容器の処分費用も含めると、場合によっては1缶当たり5,000円ほどの処分費用が掛かってしまう場合もあるのです。

 

あまりにもたくさんペンキが残っている缶が複数残っている場合には、自治体以外の方法で処分したほうがよいかもしれません。

 

自治体以外で処分する方法は?

自治体以外で処分する方法は?

ペンキは塗料と容器とでそれぞれ正しく処理をして分別すれば、自治体で回収してもらえる地域も少なくはありません。

とはいえペンキの中身を出して分別し、適切に処分するためには、手間も時間もかかってしまいます。

 

ペンキ缶の点数が少ない場合には負担はあまりないかもしれませんが、一度にたくさんのペンキを処分するとなると、分別が必要な自治体では面倒に感じる場合もあるでしょう。

 

また事業などで使用したペンキは、正しく分別をした場合でも自治体に処分を依頼することができません。

では、自治体で処分が難しい場合や、自治体以外に任せて手間なく処分する方法も紹介していきましょう。

 

塗料専門業者に回収してもらう

  • 費用目安:一斗缶 ひと缶3,000円程度

ペンキや塗料などの回収処分を専門に対応してくれる業者があります。

乾燥して固まってしまったペンキや、水性・油性(溶剤)ペンキなど、状態問わず中身がそのまま入った状態で回収してもらえるのでとても便利です。

塗料専門業者に依頼すれば、事業などで使ったペンキも処分できますし、マニフェストなども発行してもらえて安心です。

 

不用品回収業者に回収してもらう

  • 費用目安:一斗缶 ひと缶4,000円程度

不用品回収を専門とする業者の多くでも、中身が入った状態のペンキを回収してもらえることが多いです。

単品回収価格は塗料専門業者よりも割高となりがちですが、トラックのせ放題などの定額料金プランを活用することで1個当たりの回収費用を抑えることが可能です。

 

軽トラックのせ放題プランの料金目安は、出張費・作業費・排出費・処分費など諸々含めて、20,000円~25,000円程度が目安です。

ペンキ以外のさまざまな不用品もまとめて処分できるため、ペンキ缶の数や不用品の量が多い場合にはまとめてオトクに処分できます。

 

専門業者同様、産業廃棄物処分に対応している不用品回収業者もたくさんいるので、マニフェストの発行なども依頼できます。

大量のペンキ缶がある場合には、不用品回収業者に依頼するほうがオトクな場合もありますので、処分する内容に合わせて選ぶとよいでしょう。

 

まとめ:ペンキの処分は残量や点数に合わせて選ぼう

ペンキは正しく処理をすれば自治体での処分が可能です。

ただし塗料の残量や空き容器の数によっては、手間や費用が掛かってしまうこともあります。

 

塗料専門に回収している業者や、地域の不用品回収業者でも処分は可能です。

かかる費用や手間なども考慮して、適切な処分方法を選択しましょう。