車の処分方法|車の処分費用・必要な手続きは?無料処分もできる?

車の処分方法|車の処分費用・必要な手続きは?無料処分もできる?

この記事では、車の処分方法と費用を紹介します。

まだ乗れる車なのか、事故などで乗ることができない車なのかなど現在の車の状態によって、おすすめの処分方法や費用が異なります

 

最後まで読んでいただければ、適切な車の処分方法がわかりますので、ぜひ参考にしてください。

 

車の処分方法とかかる費用・手続き

車の処分方法とかかる費用、必要な手続きを説明します。

それぞれの処分方法で正しい手続きを行わないと、車検に出せなくなってしまったり、自動車税が発生し続けたりとトラブルになることもありますので注意してください

 

①車を「廃車」で処分:無料~90,000円

車を「廃車」で処分

車を「廃車」にして処分する方法です。

廃車には「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があります

 

【一時抹消登録】

廃車手続きで車を「一時的に」手放す手続きのことです。

一時的に車を廃車の状態にすることで車庫に車をおいておくことができます。

 

一時抹消登録している場合、自動車税がかからず、すでに支払った自動車税も還付されます

ケガをして長期入院になってしまった、出張で留守にするなど「長期間」車に乗らないときは有効な方法です。

 

【永久抹消登録】

車の登録を「永久的に」抹消することを永久抹消登録と言います。

永久抹消登録を済ませた車は公道を走ることはできなくなります

 

今後乗ることがない車を解体し、自動車税などもかからない状態にします。

また、車検が1年以上残っている場合には、重量税の還付も受けられます。

普通自動車の場合「永久抹消登録」と言いますが、軽自動車の場合には「解体返納」と呼ばれ、手続きも異なります。

 

廃車処分にした方がいいケースは?

  • 事故車や水没車
  • 走行距離が多い車(10万km以上)
  • 年式が古い車(10年落ち以上)
  • 故障車
  • 買取できない車

 

廃車の手続きと費用

ここでは、主に普通自動車についての廃車手続きを紹介します。

 

自分で廃車手続きをする(無料~70,000円程度)

自分で行う廃車手続きで必要な費用と流れは以下です。

車の解体費用 無料~30,000円程度
廃車引取り費用 無料~40,000円程度
永久抹消登録申請書 無料配布

 

1.車を解体する

車の解体業者に解体を依頼します。

ナンバープレートは廃車の手続きで必要になります。

 

解体の際には、ナンバープレートは取り外して保管するのを忘れないようにしてください

解体完了後、業者から「解体報告記録日」と「使用済自動車引取証明書」の発行を受けます。

 

2.運輸支局で「永久抹消登録」をする

以下の必要な書類を揃えて運輸支局で永久抹消登録をします

 

  • ナンバープレート2枚
  • 「解体報告記録日」と「移動報告番号」
  • 所有者の印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • 所有者の委任状(所有者以外の手続きの場合)
  • 車検証
  • 手数料納付書(運輸支局で配布)
  • 永久抹消登録申請書(及び解体届出書)(第3号様式の3・運輸支局で配布)
  • 自動車税・自動車取得税申告書 (運輸支局で配布・不要の地域もあり)
  • 実印(所有者が手続きする場合)
  • 戸籍謄本(3か月以内のもの・所有者氏名が異なる場合)
  • 住民票(3か月以内のもの・所有者住所が異なる場合)
  • 所有者のマイナンバー(1か月以上の車検が残っている場合)
  • 還付金を受け取る人の銀行口座情報(必要な場合のみ)

 

3.ナンバープレート返却

ナンバー返却窓口で2枚のナンバープレートを返却します。

返却後「手数料納付書」に確認印が押されます。

 

4.廃車手続きの書類を提出

すべての書類を提出します。

 

5.税金の書類を提出

運輸支局内の税申告窓口で「自動車税・自動車取得税申告書」を提出します

地域によっては提出不要の場合もあるので事前に確認しておきましょう。

 

ディーラーに廃車手続きを代行依頼(50,000円~90,000円程度)

ディーラーに手続きを代行してもらい廃車にする方法です。

 

ただしディーラーに廃車を代行してもらえるのは、のディーラーから購入した車のみであることが多いです。

しかし、付き合いの長いディーラーであれば、代行での廃車手続きを行う場合もあるようです。

 

中には廃車手続きにかかる費用を割引や無料にしてくれる場合もあります。

いずれにしても廃車手続きをしてくれるかどうかはディーラー次第ということなので、新しく車の購入予定があるなら相談してみるのもいいでしょう。

 

ディーラーに廃車手続きを代行してもらう際に必要な費用と流れは以下です。

受け渡しのレッカー代 10,000円~30,000円程度
車の解体費用 30,000円~50,000円程度
廃車手続き代行費用 10,000円程度

 

1.廃車手続き代行を申し込む

ディーラーに廃車手続きの代行を依頼すると、車の引き取り日、以下の必要書類を揃えるように言われます。

  • 車検証
  • 納税証明書
  • リサイクル券
  • 実印
  • 所有者の印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • 譲渡証明書
  • 委任状

 

ディーラーに廃車手続きを委任するための「譲渡証明書」や「委任状」の記入も必要です

 

2.車をディーラーに引き渡す

自走できる車かどうかでも異なります。

  • 自走できる場合:運転してディーラーに持ち込む
  • 自走できない場合:レッカー車や積載車で持ち込む

 

廃車買取業者に依頼(無料・収入になることも)

廃車による車の処分は廃車買取業者に依頼する方法もあります。

廃車買取業者は、車の解体から廃車手続き代行まで一括で行ってくれます

 

水没した車や事故車など中古車としての買取ができない車であっても、無料で引き取ってくれます。

廃車買取業者が無料で車を引き取るのは、解体後パーツを販売して利益となるからです

中古車として販売できる車なら買取で高値となり収入になることもあります。

 

廃車買取業者に依頼すると面倒な手続きなく、無料で比較的スムーズな廃車による車の処分ができます

廃車買取業者での廃車処分の流れは以下です。

 

1.廃車買取業者に申し込む

2.査定金額や引き取り希望日の連絡を受ける

3.必要な書類などを準備する

  • 車検証
  • 自賠責保険証(車検が残っている場合)
  • リサイクル券
  • 所有者の印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • 所有者の実印
  • 身分証明書
  • 委任状

ディーラーに廃車を依頼するときと同様に「譲渡証明書」や「委任状」も必要になることもあります

事故車など解体して廃車とする場合には譲渡の必要がないため「譲渡証明書」は不要です。

中古車として買取の場合のみ「一時抹消登録」を行う必要があるため、「譲渡証明書」が必要です。

 

4.業者に車を引き渡す

自分で廃車買取業者に持ち込むこともできますが、業者が引き取りにくるケースが多いです。

 

5.廃車完了の「抹消登録証明書」を受け取る

 

廃車買取業者での廃車手続きは非常に簡単で無料です。

事故車など廃車しか処分する手段がない場合には、廃車買取業者に依頼するのがベストでしょう

 

②車を「売却」して処分:書類発行費用

車を「売却」して処分

車を「売却」して処分する方法です。

中古車としてまだ十分に市場価値がある車なら高値で買取されるため、他の方法に比べてお得に処分できます

 

売却処分した方がいいケースは?

  • 状態が良い車
  • 走行距離が少ない車(10万km以下)
  • 年式が新しい車(10年未満)
  • 人気の車種

 

売却の手続きと費用

売却での車処分の場合は、車が買取となるため書類の発行以外にかかる費用はありません

買取価格がいくらになるかによって、収入となる金額が変わります。

なるべく高額で買い取ってくれる売却先を探しましょう。

 

売却方法は主に2種類あります。

  • 個人へ売却
  • 中古車買取専門店で売却

 

個人への売却の場合、フリマアプリやオークションなどを利用することが多いです。

中古車買取専門店で売却する場合、車種や車の状態によっては高額で買い取ってもらえることもあります。

どのくらいの金額になるのかは中古車買取専門のお店選びが重要なポイントです。

 

車の売却とは、車の名義を変更することです。

車には所有者が登録されており、自動車税なども国が管理しています。

そのため売却する際には車そのものの売却だけではなく、登録された情報も変更する手続きが必要です

 

個人へ売却する方法は、登録情報の名義変更を自分と相手でそれぞれ行う必要があります

何度も車を売却することはないので、慣れない手続きでトラブルに発展することも多いです。

 

その点中古車買取専門店では名義変更を代行して行ってくれます。

予期せぬトラブルを生まないためにも中古車買取専門店での売却がおすすめです。

 

中古車買取専門店での車売却の流れ

1.手続きに必要な書類を揃える

専門店に申込みをする前に必要書類をあらかじめ揃えておくとスムーズです。

  • 車検証
  • 自賠責保険証
  • リサイクル券の預託証明書
  • 自動車税の納税証明書(軽自動車は「軽自動車税の納税証明書」)
  • 実印(軽自動車は認印でOK)
  • 印鑑証明書(3か月以内のもの・軽自動車は不要)
  • 譲渡証明書
  • 委任状

 

譲渡証明書や委任状も必要ですが通常は店舗で用意されているので自分で準備する必要はありません

また、車検証の内容が実際と異なる場合(住所・氏名など)は、戸籍謄本や住民票も必要になります。

 

2.中古車買取専門店を探して売却

一括査定を申し込めるサイトもありますが、電話がたくさんかかってきます。

電話対応に時間をとられることにもつながるので、いくつか選んで実店舗に行ってみることをおすすめします

 

3.任意保険の手続き

車の売却が終わり、専門店からの入金後にも自分で行う手続きがあります。

新しい車を購入した場合には、任意保険で登録されている車を変更する「車両入替」の手続きが必要です

今後車に乗らない、購入しないという場合には「中断証明書」の手続きをする必要があります。

保険会社ごとに手続きの方法が違うので、各保険会社のサイトで確認し不明な点は保険会社に問い合わせます

 

③車を「下取り」で処分:書類発行費用

車を「下取り」で処分

新しい車を購入する際に以前の車を下取りに出すことで処分する方法です。

新しい車の購入費用を補填でき、手続きをまとめて行えることがメリットです

 

ただし、売却する方法に比べると下取り金額が安くなってしまうことが多く、中古車買取専門店で売却した方がいいこともあります。

 

下取り処分した方がいいケースは?

  • 新車を購入する予定がある
  • 手続きをまとめて行いたい
  • 車の処分に時間をとられたくない

 

下取りの手続きと費用

下取りでの処分では、新しい車の購入費の補填となるため、書類の発行費用以外にかかる費用はありません

車の下取りの手続きは売却のときとほとんど同じです。

 

1.手続きに必要な書類を揃える

ディーラーや中古車販売店を選ぶ前に、あらかじめ必要な書類を揃えます。

紛失した場合には再発行手続きを行う必要があり、時間がかかってしまうからです

 

  • 車検証
  • 自賠責保険証
  • リサイクル券の預託証明書
  • 自動車税の納税証明書(軽自動車は「軽自動車税の納税証明書」)
  • 実印(軽自動車は認印でOK)
  • 印鑑証明書(3か月以内のもの・軽自動車は不要)
  • 譲渡証明書
  • 委任状

 

譲渡証明書や委任状も必要ですが、店舗で用意されているので自分で準備する必要はありません。

車検証の内容が実際と異なる場合(住所・氏名など)は、戸籍謄本や住民票も必要になります

 

2.ディーラーや中古車販売店で車購入と下取りの手続きをする

新車を購入する際に、下取りの希望を伝えます。

下取りの金額は車種や年式、下取りの車の状態などで査定額が変わります

 

一般的には先に説明した売却処分の方が下取り価格よりも高くなる傾向にあります

下取りでは、中古車の価格相場が反映されにくく、車種や年式が新しい車であっても、下取りの場合は「車の販売」がメインになるからです。

必要書類が揃っていれば下取りの手続きはスムーズに終わるはずです。

 

④車を「譲渡」して処分:書類発行費用

車を「譲渡」して処分

車を知人や友人に譲渡して処分する方法です。

売却のときと同様に車の名義変更が主な手続きとなります

 

譲渡の手続きと費用

車の譲渡にかかる費用は、書類発行の費用だけです

譲渡に必要な書類は以下です。

書類名称 備考
譲渡証明書 国土交通省の公式サイトから入手
車検証 有効期間があるもの・登録内容確認
印鑑証明書 自分と譲渡相手のもの
実印 自分と譲渡相手のもの
車庫証明 1か月以内発行のもの
申請書 陸運局で発行
委任状 所有者が異なる場合

 

1.必要な書類を揃える

 

2.譲渡先の住所を管轄する陸運支局で手続きする

売却と同様に、車の名義を譲渡される方に変更する手続きが必要です

 

3.任意保険の手続き

保険会社によって手続き方法が違うこともあります。

サイトで確認するなどして、登録されている車を変更する「車両入替」の手続きを行います

今後車を購入しないという場合は「中断証明書」の手続きをします。

 

車の処分は車の状態で決めるのが得策

車の処分は車の状態で決めるのが得策

車を処分する方法には「廃車」「売却」「下取り」「譲渡」の4つがあります

どの方法が最もいいのかは、車種や年式、走行距離、車の状態によっても変わります。

 

事故車や水没車の場合には最初から廃車手続きをとる方がいいでしょう。

中古車として買取ができるかは査定してみないとわからないことが多いです。

中古車として売却できるかをまずは確認してみて、難しい場合には他の方法を考える方がいいでしょう。

 

時間や手間、かかる費用などを比較して賢く車を処分しましょう